しわはなぜできる? 小じわ・深いしわの違いと高級クリームだけではない対策とは

アイキャッチ しわの仕組み スキンケア
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まだ20代なのに、すでに目元・口元のしわが気になる…! こんな焦りを抱いている人、実は結構いませんか?

私も頬のお肉が厚いタイプで、みんなで撮った写真を見返すと、ほうれい線、結構深くない…!? とぞっとすることがあります。

アラサーに差し掛かってきて、鏡で見ると頬の凹凸だけではなく、なんだかうっすらしわのような線まであることに気づいてしまいました。

しわって、もっと年齢を重ねてからできるものじゃないの? 一体しわって何歳からできるものなのよ? とお怒り(?)のあなた! 気持ちわかります。一緒に勉強していきましょう。

しわには大きく2種類ある

まず、しわのできる仕組みを解説します。

しわには大きく2種類ありまして、

  1. 乾燥小じわ
  2. 真皮の衰え・ダメージによる深いしわ

上記のように大別されます。

もう少し詳しく見ていきましょう。

乾燥小じわのできる仕組みと対策

乾燥小じわは、お肌の表面の方である表皮の、さらに最上面、角質層で引き起こされます。

乾燥小じわの図解

角質層は、お肌がちゃんと健康な状態のときは、自前の保湿成分であるNMF(天然保湿因子)と細胞間脂質で角質層は満たされ、汗と皮脂の混ざった皮脂膜に覆われて保護されています。

  • NMF(Natural Moisturizing Factor)…日本語では天然保湿因子。PCA-Na、アミノ酸類、尿素など。
  • 細胞間脂質…油分に馴染みやすい部分と、水分に馴染みやすい部分がある。規則正しく並ぶことで何重にも折り重なった水分と油分の層を保持する(=ラメラ構造)。強力なバリア機能として働く
ラメラ構造の図解
水色の球が水に馴染みやすい部分、黄色の棒が油分に馴染みやすい部分

角質層が乾燥するのは、以下のような状態にあるときです。

  • 洗顔のやりすぎで皮脂や細胞間脂質が洗い流されているとき
  • ターンオーバー(肌の生まれ変わり)が乱れているとき(遅くても早くてもNG)
  • 加齢でNMF、細胞間皮質、皮脂膜が少なくなっているとき

20代後半から加齢の影響でターンオーバーは遅くなりますし、その影響で自前の保湿成分(とくに皮脂。水分は生まれた時から減少の一途をたどります)も少なくなってきます。

遅くとも20代真ん中からエイジングを意識した保湿ケアが大切になってきます。

乾燥小じわの対策

角質層が乾燥する原因がわかったところで、実際のケアのポイントを解説します。

①水分を与える

まずは角質層を水分で満たします。水分とはその名の通り。精製水でOKです。スチーマーなどあるとなお良し。

★①のアイテム…精製水

②水分をつかむ

入ってきた水分をキャッチしなければなりません。ここで活躍するのは上述のNMFに加えてアミノ酸やグリセリンです。

アミノ酸やグリセリンは、水分を吸収する働きに優れています。

②のアイテム…グリセリン・アミノ酸が配合されたもの。まだ上に重ねる場合は化粧水などが良いかも?

③水分を抱えこむ

②でせっかくキャッチした水分ですが、グリセリン・アミノ酸は湿度が下がると水分を吸収する機能も低下。ヒアルロン酸・コラーゲンなどで掴んだ大切な水分を大事に抱え込みます。

ヒアルロン酸・コラーゲンは湿度が下がっても、水分を離しません。

★③のアイテム…ヒアルロン酸、コラーゲンが配合されたもの。まだまだ角質層に浸透してほしい段階なので、浸透するものを選びましょう。各社で「浸透型」として、分子を小さくしたものを配合しているものがあります。

④水分をはさみこむ

③までで角質層に水分をしっかり満たしたら、細胞間脂質およびラメラ構造を補強して、お肌の保護を行います。

レシチン・セラミド・スフィンゴ脂質は細胞間脂質と似た働きがあり、ラメラ構造を助けて水分を保持します。また、角質層への馴染みも良いです。

★④のアイテム…レシチン、セラミド、スフィンゴ脂質が配合されたもの。

水分を閉じ込める

④で角質層の水分をがっちり守ったら、蒸発を防ぐために表面に蓋をします。

ワセリン、スクワラン、ホホバ油はどれも角質層からの水分の蒸発を防ぐ効果に優れますが、

  • ワセリン…刺激になりにくい。粘着性に優れ、強固に肌を保護する。反面、ベタつきやすい
  • スクワラン…馴染みが良い。ベタつかない。
  • ホホバ油…サラッとした感触。ニキビ菌の餌になりにくい。

上記のような特徴がありますから、好みやお肌の状態に合わせてアイテムを変えても良さそうです。

★⑤のアイテム…ワセリン、スクワラン、ホホバ油

乾燥子じわは角質層の保湿でかなり改善すると言われていますので、上記の基本のケアを大切にしていきたいところです。

基本のケアに加えて、取り急ぎ乾燥小じわを目立たなくするアイテムもありますが、あくまで緊急措置です。

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深いしわのできる仕組み

深いシワは、真皮の構造が衰えることで引き起こされます。

深いしわの仕組み

真皮には網目状に並ぶ長くて硬いコラーゲン繊維と、これを束ねる、弾力のあるエラスチン繊維というタンパク質があります。

そしてこの間をヒアルロン酸などの水分保持に関わるゲル状の成分(=基質)と、それに溶け込んだタンパク質・ビタミンが満たしています。

コラーゲン繊維とエラスチン繊維は、同じく真皮に存在する繊維芽細胞という細胞が作り出します。

繊維芽細胞は古くなった繊維を壊す働きもしていて、まさに真皮の骨格となる2つの繊維をメンテナンスする細胞です。

コラーゲン繊維とエラスチン繊維が衰えると画像のようにお肌を構造を支えられなくなって、深いシワとなってしまうのです。

コラーゲン繊維とエラスチン繊維が衰えてしまう原因は以下が挙げられます。

  • 紫外線(A波)によるダメージ
  • 糖化(消化の過程で余った糖分がダメージを与える)
  • 繊維芽細胞が衰える・減少することによって繊維を生み出す能力が低下する
  • 繊維芽細胞は表皮からの刺激などを間接的に受けたり、血液からの栄養補給が低下することで衰える

深いしわの対策

深いしわは、まとめると以下のような原因によりコラーゲン繊維とエラスチン繊維が衰えることによって引き起こされるわけです。

  • 紫外線による直接ダメージ
  • 繊維芽細胞の衰え

ではそれぞれどのようなケアが有効でしょうか?

◆紫外線(A波)対策

  • PA値の高い日焼け止め剤を使用する(PAはProtection Grade of UV-Aの略)散歩など日常場面でもPA++は欲しいところ。
  • 太陽を物理的に避ける(つばの長い帽子、日傘など)。道路からの反射も侮れない。

◆繊維芽細胞の活性化

  • 健康な生活習慣(食事、適切な運動)
  • 乾燥対策(上述の乾燥小じわ対策と通じます)
  • 紫外線対策(上述の紫外線対策と通じます)
  • 活性酸素を抑える…酸化した(古い)油を含む食品、喫煙、紫外線などを避ける

とくに、活性酸素は繊維芽細胞だけに何か、というより、細胞を破壊する原因になりますので、美容目的でなくても避けた方が良いものです。

また、深いしわは保湿によって改善の余地がある乾燥小じわと違い、できてしまうと化粧品などで改善させることはできません。美容外科的な手段が必要になりますので、できないように対策するのが基本です。

お肌の表面だけにとらわれてない? 実は骨と筋肉も大きく関係する

ここまでお肌のことについてのみピックアップしてきましたが、しわは、実は骨や筋肉の減少で脂肪や皮膚が「余って」できてしまうこともあります。

例えば、眼球が治る眼窩(=アイホール)の骨が縮むと、目元の皮膚が余って目尻の小じわにつながります。

加齢とともに骨も小さく・もろくなっていくものです。(骨粗鬆症などのイメージですね。加齢により、骨を作る細胞よりも、壊す細胞が優勢になっていってしまうのです)

これは、ある程度は避けられない現象ですからどうにもなりませんが…

また、筋肉も顔のしわに大きく影響します。

顔まわりには自前のリフトとも言えるような、顔を支える筋肉がたくさんあります。

頭皮マッサージや表情筋を良く動かすことは、とくにたるみ対策に効果を発揮するようです。

表情筋を動かせばしわはできやすくなるので、そこはペイオフの関係になってしまいますが…。でも、無表情でたるんでいるより、多少のしわはあっても良く笑う人の方が、魅力的だと思いませんか?

もちろん適切なケアは行わないと、年齢以上に老けた感じになってしまう可能性は高まりますので、今回学習したようなことを気をつけて生活していきたいと思います。

普段の暮らし方が顔に出る!

お肌の基本を踏まえると、できてしまったしわを、高級な化粧品や高額な手術でどうにかするというのは、ともするとマイナスを0にする行為とも思えてきます。

日々の保湿ケア・紫外線ケア・体全体を健康に保つ生活に気をつけて、マイナスになって行かないように、じっくりじっくりとプラスを積み上げて年を重ねていきたいものですね。

参考文献等

しわのメカニズムが勉強になった! という方に

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